9月8日、ノーベル文學(xué)賞受賞者、大江健三郎氏は、北京に到著して、中國(guó)の訪問(wèn)を始めた。これは同氏にとっての5回目の訪中である。9月9日、中國(guó)社會(huì)科學(xué)院で、「絶望から始まる希望」というテーマで講演を行い、そして、午後北京のマンモス書(shū)店、西単図書(shū)大廈でサイン會(huì)を催した。
講演はいずれも魯迅をテーマ
9月9日午前、大江健三郎氏は中國(guó)社會(huì)科學(xué)院のホールで、「絶望から始まる希望」というテーマの講演を行った。このタイトルは魯迅の詩(shī)集『野草』の「希望」の詩(shī)句を出所とするものである。
ホールに入り、一列目の席に座っていた舊友の莫言氏の姿を目にすると、しっかりと莫言氏の手を握った。莫言氏の故郷を訪ねたときの話題を織り交ぜて講演を始め、同時(shí)代の中國(guó)人の作家である莫言氏に敬意を表した。
そして、講演の中で、大江健三郎氏は、みずからの憂(yōu)いの気持ちを何度も強(qiáng)調(diào)した。日本がアジアで孤立し、民衆(zhòng)、特に若者が歴史を忘れることに憂(yōu)いの気持ちをあらわにした。幼年時(shí)代における最初の魯迅の作品との出會(huì)いについて語(yǔ)り、魯迅の『華蓋集続編』における「存在があれば希望がある。希望があれば光明がある」の語(yǔ)句を引用し、將來(lái)に対するみずからの期待を語(yǔ)った。
そのほか、ここ數(shù)年間、村上春樹(shù)の作品が中國(guó)での影響力について、大江健三郎氏は、一生嫉妬を感じたことのない私でも、村上氏が中國(guó)で大変人気があるということに嫉妬を感じている、とジョークをまじえて語(yǔ)った。
14日、大江健三郎氏は「魯迅—中國(guó)—私」というテーマの講演を行うことになっている。
最新作の『さようなら、私の本よ！』のサイン會(huì)
9日午後、大江健三郎氏は西単図書(shū)大廈で読者と交流し、『さようなら、私の本よ！』『憂(yōu)い顔の童子』など三冊(cè)の著書(shū)のサイン會(huì)を催した?！氦丹瑜Δ胜?、私の本よ！』は2005年末に完成した新作であり、これは初めての日本以外での出版である。これは氏の最後の長(zhǎng)編小説になるかもしれないともいわれている。
南京大虐殺記念館を見(jiàn)學(xué)
9月12日、大江健三郎氏は北京から南京を訪問(wèn)することになっている。その日午後、南京大虐殺記念館を見(jiàn)學(xué)し、生存者たちと座談する。9月15日、北京経由で帰國(guó)することになっている。
「チャイナネット」2006年9月11日
