中國共産黨は1921年に創(chuàng)設(shè)されてから、中國の民族問題を解決する正しい道を積極的に模索し、民族政策を成功裏に制定、実行し、全國の各民族人民を結(jié)集、指導(dǎo)して新民主主義革命の勝利を勝ち取った。1949年9月、新中國成立直前に招集された中國人民政治協(xié)商會議では、中國共産黨の提案により、各民族、各黨派の代表は共に協(xié)議して、統(tǒng)一した多民族の中華人民共和國を樹立することを決定し、當(dāng)時臨時憲法の性質(zhì)をもつ「中國人民政治協(xié)商會議共同綱領(lǐng)」を可決した。同綱領(lǐng)は特に一章を設(shè)けて、新中國の民族政策を詳しく述べ、民族區(qū)域自治を基本的國策に明確に確定している。新中國がこの重要な歴史的選択を行ったのは、主に中國の國情を把握しているからである。
（一）統(tǒng)一した多民族國家の長期にわたる存在は、民族區(qū)域自治を?qū)g行する歴史的根拠である
中國は長い歴史を持つ統(tǒng)一した多民族國家である。早くも前221年（西暦、以下同じ）に、中國史上の最初の封建王朝である秦朝（前221年～前206年）は國家の最初の大統(tǒng)一を?qū)g現(xiàn)し、そのあとに樹立された漢朝（前206年～220年）は統(tǒng)一の局面をいちだんと発展させた。秦朝と漢朝は全國で郡県制を?qū)g行し、法律、文字、暦法、車の軌間、貨幣、度量衡を統(tǒng)一し、各地區(qū)の各民族の交流を促進し、中國という2000余年間続いた統(tǒng)一した多民族國家の政治、経済、文化などの面の基本的枠組みの基礎(chǔ)を築いた。その時から、漢民族の樹立した隋（581年～618年）、唐（618年～907年）、宋（960年～1279年）、明（1368年～1644年）など王朝の中央政権と少數(shù)民族の樹立した元（1271年～1368年）、清（1644年～1911年）など王朝の中央政権を問わず、いずれも自ら中國の「正統(tǒng)」をもって自任し、統(tǒng)一した多民族國家の樹立を最高の政治的目標(biāo)とした。
中國歴代の中央政権のほとんどは、少數(shù)民族地區(qū)に対し「習(xí)俗に従って管理する」政策を?qū)g行した。つまり政治的統(tǒng)一を?qū)g現(xiàn)する前提の下で、民族地區(qū)の既存の社會制度と文化形態(tài)を保つことである。漢朝が今の中國の新疆地區(qū)に設(shè)けた西域都護府、唐朝が同地區(qū)に設(shè)けた安西と北庭の二大都護府は、いずれも軍事と行政の重要な活動を管理するだけであった。清朝の中央政権は異なる民族地區(qū)の特徴に照らして異なる管理措置をとり、蒙古族地區(qū)では盟?旗制度を?qū)g行し、チベットには駐蔵大臣を派遣し、ダライとパンチェンの二人の活仏への冊封を通じて行政宗教合一制度を?qū)g行し、新疆のウイグル族が最も集中している地區(qū)では伯克（清朝が新疆ウイグル地區(qū)に設(shè)けた官吏――訳注）制度を?qū)g行し、南部の若干の少數(shù)民族地區(qū)に対しては土司（中國が元?明?清時期に西南地區(qū)に設(shè)けた少數(shù)民族を統(tǒng)治する施政官――訳注）制度を?qū)g行した。古い社會制度の下では各民族の間に近代的意義をもつ平等な関係が形成される可能性がなく、民族の間にも矛盾、衝突ひいては戦爭の発生が避けられないにもかかわらず、中國歴史上の統(tǒng)一した多民族國家の長期にわたる存在は、各民族間の政治、経済、文化の交流を極めて大きく促進し、各民族の中央政権への求心力と認(rèn)知感を絶えず増進している。
（二）近代以來外部からの侵略に反抗する闘爭の中で形成された愛國主義精神は、民族區(qū)域自治を?qū)g行する政治的基礎(chǔ)である
1840年のアヘン戦爭後の110年間に、中國はたびたび帝國主義に侵略、侮辱され、中國の各民族人民は抑圧され、奴隷のように酷使される狀態(tài)に陥った。國家の四分五裂と民族の生死存亡の緊急な瀬戸際に、中國の各民族人民は一致団結(jié)して共に外國の侮辱に抵抗し、國家の主権と統(tǒng)一を守り、民族の獨立と解放を勝ち取るために堅忍不抜な闘爭を行った。特に抗日戦爭（1937年～1945年）期に、中國の各民族はいちだんと連合し、敵愾心を燃やして、侵略に抵抗し、家と國を防衛(wèi)した?；孛裰ш?、內(nèi)蒙古抗日遊撃隊など少數(shù)民族を主とする多くの抗日勢力は、反ファシスト戦爭の勝利を奪い取るため、歴史に感動的な一章を書き記した。中國の各民族は帝國主義の侵略に反対すると同時に、ごく少數(shù)の民族分裂分子が帝國主義勢力の支持の下で、「チベット獨立」、「東トルキスタン」、かいらい「満州國」などを畫策し、つくり出す分裂行為に対し斷固たる闘爭を行った。外部からの侵略に反抗する闘爭の中で、各民族人民は、偉大な祖國が各民族が共有する故郷であり、國家の主権と統(tǒng)一、領(lǐng)土保全がなければ、各民族が本當(dāng)の自由?平等と発展?進歩を?qū)g現(xiàn)することができず、中國の各民族人民がいちだんと固く団結(jié)、連合してのみはじめて國家の主権と統(tǒng)一、領(lǐng)土保全を守り、國の繁栄と富強を?qū)g現(xiàn)できることを深く體得した。
（三）各民族が大面積に雑居し、小面積に集まり住むという人口の分布狀態(tài)、各地區(qū)の資源條件、発展の格差は、民族區(qū)域自治を?qū)g行する現(xiàn)実的條件である
中國の各民族の形成と発展の歴史は、各民族が互いに融け合う歴史でもある。長期にわたる歴史的発展の過程で、各民族は頻繁に移動し、次第に大面積では雑居し、小面積では集まり住むという分布の枠組みを形成した。漢民族は中國の人口の最も多い民族として全國にくまなく分布している。少數(shù)民族の人口は少なく、しかも主に広大な辺境地區(qū)に住んでいるとはいえ、內(nèi)陸部の県クラス以上の行政區(qū)域にはいずれも少數(shù)民族が住んでいる。このような民族が混合し合い、互いに依存する人口の分布狀況は、少數(shù)民族が集まり住む地方を基礎(chǔ)として、類型と行政等級の異なる民族自治地方を設(shè)置することを決定付けている。これは民族関係の調(diào)和、安定と各民族の共同の発展にとって有利である。
少數(shù)民族が集まり住むところは面積が広く、天然資源が豊富であるが、その他の地區(qū)特に発達地區(qū)と比べて、経済と社會の発展レベルは相対的に立ち遅れている。民族區(qū)域自治を?qū)g行すれば、少數(shù)民族地區(qū)の強みを十分に生かすと同時に、少數(shù)民族地區(qū)とその他の地區(qū)との交流と協(xié)力を促進し、それによって少數(shù)民族地區(qū)と國全體の現(xiàn)代化建設(shè)を速め、各地區(qū)の共同の発展と各民族の共同の繁栄を?qū)g現(xiàn)することができる。